Y's Reading Record

コンビニ人間

2017-06-28

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コンビニ人間

2017-06-28

 ご存知の通り、芥川賞受賞作です。ショッピングモールで買い物をしている途中に、コーヒーを飲みながらくつろぎたくなったんだけど、手持ち無沙汰になるのも嫌だったので、とりあえず、本屋に行きコーヒーを飲みながら読める本を探しました。
そこで、ふと、本の貸し借りをしている友人が「『コンビニ人間』読んでみたいんだよね」と言ってたのを思い出し、買った本でした。さらりと読めてしまう本なので、コーヒーを飲みながら読むには絶好の本でした。さて、まずは、出版社が書いている、本の紹介です。




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36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。
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 さて、読んでみての感想ですが、とりあえず、出てくるキャラクター全員にイライラさせられました。なに、この人たち。うざい。というのが正直な感想。でも、そのうち、実は舞台となっているコンビニ=日本社会なのでは?という感じに思えてきました。「コンビニ店員化されていく」という意味の言葉があらゆる場所に出てくるのだけど、それは日本の社会に社会化されていく、というように捉えてもいいのかもしれない。

 幼い頃から、普通の子供とはちょっと違った言動の多い、主人公。コンビニにバイトとして勤めることによって、社会化していくのである。クライマックスは、コンビニを辞めてしまった主人公が、やっぱり自分の居場所はコンビニなんだと、気がつくところなのだが、「これがあなたの居場所なんだ。そこに気がついて良かったね主人公さん」と一瞬思うものの、その後に恐怖となんか後味の悪さがこみ上げてくる。つまり、社会化された人間はその社会が良い、悪いにしろ、そこから抜け出すことができない、というメッセージにも捉えられるからである。コンビニのバイトを18年続けて、将来、このままじゃ生きていけない、と周りに言われ、コンビニを辞め、仕事を探し始める主人公が、結局は「このままでは生きていけない」コンビニを自分の居場所だと認識してしまうのである。なんとも、悲しい小説なんだろうと思ってしまった。

 人というものは、自分の慣れ親しんだ場所、心地の良い場所に、ずっと身を置いていたくなる存在なのかもしれないな、と改めて感じさせられ、そして、私は、今の状況から抜け出さなくては、と思い、やる気をもらったのでした。

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