「子供もストーリーが好き?」というタイトルにしましたが、決して、子供に小説を読ませろとか、映画を見せろとかそういう話ではありません。
先日、『スタンフォードでいちばん人気の授業』という本をこのブログで紹介させていただきました。
こちらの本はスタンフォード大学の経営大学院ではどのような講義が行なわれているかを紹介するような内容となっていました。
その中に、「モノを売るためにはストーリーが必要。いくら良い商品があったとしても、そこに人を感動させる、人の心を動かすストーリーがなければ売れない」と書かれていました。
おそらく、子供もストーリーが好きなんだと思います。
先日、我が家の小学5年生がこんなストーリーを私に話してくれました。
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今日ね、OO君と遊んだんだよね。
OO君のお父さんは歯医者さんなんだよね。
今日ね、OO君が
「外食するから早く家に帰らないと」
っていうから、
「何食べに行くん?」
って聞いたら
「焼肉」
って言ってた。
「焼肉、何回くらい行くん?」
って聞いたら、
「週に1回」
っていうから
「すごいね」
って言ったら
「当たり前じゃないの?お前んとこボンビーなん?」
って言われたから、
「今、子ども生まれたし、ちょいボンビーやから焼き肉行けれん」
って言った。
俺も、焼き肉食べたい。
焼き肉行こうや。
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おい、オチは、そこかい!!
と正直思いましたが、おそらく、このように話をしたら、焼き肉に連れて行ってもらえる、と考えたのかもしれません。
つまり、逆にこのようにストーリーとして話をすれば、子どももいろいろなことに喜んでくれたり、感動してくれたり、言うことを聞いてくれるのではないかと思ったのです。
または、子供が人に語れるストーリーを作りだすことができれば、それで子供は喜んでくれたり、親の愛情を確かめたりできるのではないかと思いました。
例えば、子供に嫌いなものを食べさせる時。
私たちは頭ごなしに、これ食べなさい!と叱りつけてしまう傾向にあります。
食べなければ、
「食べなかったら、おやつ禁止」
とか
「食べなかったら、ゲーム禁止」
などと、子供の論理に合わないような叱り方をしてしまい、ドツボにはまってしまうことがよくあります。
しかし、
「OO君、しいたけ嫌いだと思うけど、OOさんの家のOO君もしいたけ嫌いだったんだって。でもね、こうやって料理したら、すごい美味しい、って食べてくれるようになったって聞いたから、お母さんも作ってみた。食べてみて?」
と説明してみたらどうでしょうか?
そこにはまず、しいたけ嫌いだったOO君がしいたけを食べられるようになった、というストーリーと、お母さんがOO君のために、友達に聞いて、工夫をして作ってくれた、というストーリーがあります。
このように子供にやって欲しい指示をストーリー仕立てで話をしてみると、子供も心を動かされ、行動につながるかもしれません。
思い返してみると、幾つか思い当たることもあります。
このブログの「なんでも欲しがる子供。対応は?」を書いた時には、「子供は何かものが欲しいというよりは、親の愛情が欲しいのでは?」と書きました。
しかし、思い起こしてみれば、一緒にハロウィーンで着る衣装を考え、一緒に作る、という行為が子供の中でストーリーとして出来上がったような気がします。
彼はハロウィーンのパーティーで、いろんな人にとっても安く衣装ができたことを自慢していたのですが、同時にその過程を嬉しそうにみんなに話していたのです。
また、このブログの「言うことを聞いてくれない子供に言うことを聞いてもらう方法 その1」では爪を切らない子供に対して、昔の経験談を話し、爪を切らなければいけない理由を話したら、爪を切ってくれた、という話を書きました。
このように考えてみると、子どもが想像できるようなストーリーを提供することで、子供も態度を変えてくれたり、言うことを聞いてくれたりするのかもしれません。
まだ確証は持てないのですが、大人にストーリーが必要なのであれば、おそらく子供にもストーリーが効果的であることは間違いないのです。
あらゆるストーリーを作り出して、子供に語ってみる、ということをやってみる価値はあるかと思うのです。