とあるメルマガで紹介されていた本です。
歴史をしっかりと理解できていないのでちょっと読んでみようと思いました。
著者は公立高校の先生で、いかにわかりやすく生徒に歴史を伝えるのか、いかに生徒の頭に残るように歴史を教えるのか、と思考錯誤をして、youtubeなどで成果を発表し続けた結果、このような内容の本、教科書ができあがったようです。
さて、内容ですが基本的には歴史の本なので、そもそもこの本を読んで新たな発見があるというような本ではありません。
ただ、歴史の流れについて自分の思い込みや勘違いがしっかりとわかるような気がしました。
と言いますのは、著者も冒頭で書いているように、日本の歴史の教科書は地域の歴史の流れが細切れになって、教えられています。
ですので、この事項の後にこれが起こった、これとこれは同じ時期に生じた、ということに関してはなかなか、流れとして頭に入ってこず、年号で合わせる、という作業を私は頭の中で行ってきたような気がします。
しかし、年号を覚えて歴史の流れを掴もうとするあまり、それぞれの事項の関係が頭に入ってこなかったなという印象を持っています。
この本は年号を一切に使用せずに、世界史を大きな物語として捉えます。
そして、それぞれの地域の歴史や歴史区分を大きな物語の中の小さな物語のように位置づけて、歴史の流れを伝えてくれます。
前半部分は、遠い昔の話であるせいか、やはり歴史的事項の羅列というような印象を受けたのですが、読み進めていくうちに、特に近代、現代のあたりになると流れや、いろんな事項の関係性がしっかりと見えてくるようになりました。
さらに、これはこの時に起きたことだと思っていたけど、実はこの後だったんだ、というような誤解や勘違いに気がつくことができました。
そして、こういうことが起こった背景にはこういうことがあったんだ、世界はこういう風に動いていたんだ、ということがしっかりと見えてきて、「歴史から学ぶ」ということは、こういうことなのかな、と実感できました。
結局、年号と事項だけを覚えても、歴史は頭に入ってこず、また歴史から学ぶということもできないのでしょうね。
もしかしたら、日本に戦略的に動ける人がいない原因はこのような日本の教育にあるのかもしれません。
ということで、歴史の入門書として、さらりと読める歴史の本として一度、読んでみることをお勧めいたします。