最近、アウトプットの重要性を実感しております。
以前、『学びを結果に変えるアウトプット大全』という本を読んだということもありますが、やはりアウトプットをすることで、インプットをする以上に学ぶことができますし、能力を向上させることができることを実感しております。
さて、私がいうアウトプットとは、発表する、文章を書く、動画を作る、絵を描く、ダンスを踊る、など自分の日頃の訓練の成果や、自分がやっていて楽しいことを多くの人に見せる、ということとしましょう。
さて、私の場合のアウトプットは多くの場合、文章を書く、ということになるですが、それでは、なぜアウトプットが重要なのでしょうか?
みなさんも経験したことがあるかとは思いますが、頭にいいアイディアが浮かんで、「お、これはいいアイディアだ」と思っても、例えば、企画書にする、論文にする、人前で発表する、などしてみようと思います。
しかし、その頭に浮かんだアイディアでいざ企画書を作る、論文を書く、人前で発表する、となると、そのアイディアは実は、文章にするとたった、1行だったり、スライド一枚の内容だったりするのです。
そして、そのアイディアの大前提や背景となることを説明に加えたり、そのアイディアを実現するための手法や予算を考えたりしなければいけません。
つまり、アイディアを企画は論文に落とし込むには、もっと多くの作業や調べものが必要になります。
例えば、論文であれば、「以前、このようなアイディアについて論文を書いている人はいないのか?」「このようなアイディアが誰かの論文で言及はされていないか?」「このようなアイディアを証明するための証拠は揃っているのか?」ということを調べたり、企画に落とし込むとしたら、本当にこのアイディアが受け入れらるのかどうマーケット調査をして裏付けをとったり、アイディアを実現させるための場所がるのか、資金があるのか、資金がなければどこから資金を調達するのか、いろいろなことを考えなければいけません。
つまりは、頭に浮かんだアイディアなどは、実はそれほど大したことではなく、そのアイディアを実際に形にして、表に出すことが実はとっても難しいのです。
さらに企画が実現したとして、実行に移したところで、そこでもいろいろな失敗や反省が出てくると思います。
例えば、告知のタイミングが遅かった、対象とした人々が若すぎた、対象を会社員にしているのに、イベントの時間が勤務時間内だった、などです。
逆に、20代を対象としていたにも関わらず、予想以上に40代が集まったなど、プラスの学びもたくさんあることでしょう。
私は、以前、大学で非常勤講師として講義を担当していたことがあります。
自分の研究について自由に話をしてくれ、ということだったのですが、特に準備をせず、講義をしました。
すると、学生の反応はめちゃくちゃ悪かったわけです。
学生に届くような話になっていなかったからなのでしょう。
私は自分の頭にインプットしたものをそのまま、自分の頭の中を素通りさせて、アウトプットしていたのでしょう。
そのようなアウトプットをしてみて初めて、私が経験したこと、本で読んだこと、経験したことをそのまま話をしても、通じない、ということを理解することができました。
その後からは、色々と工夫して講義を行うようになり、実際3年間ほど同じ講義を担当させていただきましたが、うまく話が通じた、という講義は大学の半期間15回の講義のうち、1回くらいです。
次の年は、うまくできた1回を残して、他の講義は全面修正して、なんとか15回の講義のうち2回、3回はうまくできるようになります。
そんな感じで段々と通じる講義ができるようになるのですが、これはアウトプットをして、学生からのフィードバック(反応)をみて、初めて修正することができるのです。
そして、その修正が実は新たに調べなければいけないことや、説明をしなければいけないことが出てきたりして、大変な作業になるのです。
しかし、学ぶは自分がこれで十分と思っていたインプット以上に、もっと必要なインプットに気がつくわけです。
インプットしたら、必ずアウトプットを心がけて、アウトプットをする過程で様々なことを考え、アウトプットができたらフィードバックからさらに必要なインプットを行う、こういうサイクルが人を育てるというわけです。
とりあえず、本を読んだり、映画を見たりしたら、怖がらずに人に感想を話してみましょう。
その感想に対する第三者の意見は必ず、自分の学びとなることでしょう。