先日『命を燃やせ いま、世界はあなたの勇気を待っている』というジャパンハートの創設者である吉岡秀人さんの著書をご紹介いたしました。
今日、ご紹介させていただく本も吉岡秀人さん著の『飛べない鳥たちへ』です。
こちらも、吉岡先生の熱い言葉が並べられているのですが、タイトルの「飛べない鳥たち」というのは、おそらく日本の価値観や親・兄弟のしがらみに縛られてしまって、正しいこととはわかっていても、いろんなものを投げ出して、海外に出て行くことができない日本の若者たち、のことを示しているのでしょう。
その「飛べない鳥たち」に対して、行動を起こせ、というメッセージを発しているようなそんな気がしました。
それでは、吉岡先生の熱い言葉をいくつかご紹介いたしましょう。
・一般のビジネスのように、何かをつくったり、サービスを提供したりして直接、お金が戻ってくる勝負ではない。近い将来、経済的に破綻することは自覚していた。
・私は自分の存在の全てを賭け、わが家の未来を賭け、この無謀な挑戦に打って出た。私に与えられる報酬は、現地の人たちの幸せと、私の存在の意味の自己認識だけだった。
・患者たちは診療のお礼にと、米や野菜、鶏肉や卵などを次々に持ってきてくれた。そのうちに台所は食べ物であふれかえるようになり、私はそれを市場売ってお金に換えた。そのお金は、再び薬代となって患者たちに循環していった。
はじめ栄養失調児のためにと差し出した私の食費が、めぐりめぐって食べきれないほどの食料となり、さらに薬代となって患者の負担の軽減に役立つ。
私が少し欲を手放すだけで、皆が幸せになる。
その過程で、私こそがもっとも幸せを受け取った人間だった。
・死ぬとわかっているから何もしない。あるいは目の前に病人がいるのに、目をつぶって予防活動だけをするというのは本当に正しいことなのだろうか。
目の前に病に倒れている人たちがいる。
もう明日はないかもしれない。
そして、それを治せるかもしれない自分がいる。
それなのに効率を優先し、将来のまだ見ぬ人たちのことを考えるべきなのか。何年も先にしか成果が出ないことが、ほんとうに今やるべきことのすべてなのかーーーーーー。
私の導いた答えは「否」だった。
・一度大きく膨らんだ予算を組んでしまえば、その後は何としてでも大きな予算を取ってこなくてはならなくなるのだ。
(中略)
だから「お金があってもなくてもできる活動」というベースを作り、必要なときに必要なものを少しづつ増やしていくというのが私の理想である。
・人は自分が価値ある人間かどうか、自分ではわからないものだ。だからその答えを、他人の言葉や表情で埋めていく。
・しかし「やる」と決心してみることだ。その決心があれば、「やれる理由」が少しずつ現れてくる。
さて、今回この本を読んでみて感じたのは、吉岡先生の経験から導き出された、「ジャパンハート」の理念が綴られているような気がしました。
海外ボランティア、国際援助、国際協力に興味関心がある人はこの本を読んで、気持ちを入れ替えてもらいたいと思うと同時に、怖さが先行してなかなか一歩を踏み出せない人にも読んでいただきたい本です。
この本を読んでいると、不思議と楽観的になれます。
「何かを真剣に頑張っていれば、何とかなるかもしれない」、という気持ちが生まれてくることは間違いありません。