山口周『外資系コンサルの知的生産術』感想

2024-01-15

先日紹介させていただいた『武器になる哲学』が相当に面白かったので、再度、山口周さんの著書を読んでみました。

おそらく、これからしばらくは山口周さんの本をいくつか読ませていただくことになるでしょう。

まず、この本を読もうと思った理由は、山口周さんの著書であるという点と、単純にKindle unlimitedで無料で読めるから、という2点です。

読み終わってみての感想は、面白し、素晴らしい、啓発本やビジネススキルを向上させるための聖書のような必読書、というような印象です。

自らの多くの体験と古典からの引用などから、どのように行動すれば生産性が上がるのが知的生産物を生み出すことができるのか、ということが書かれています。

私は、現在NPO法人でイベントの企画などを担当しておりますが、めちゃくちゃ役に立つ本です。

また、以前は私は大学で研究をしていたのですが、なぜ、私の研究が進まなかったのか、なぜアウトプットができなかったのか、など原因がたくさんわかり、もっと早くこの本に出会っていたら……と思いました。

ですので、ビジネスマンだけではなく知的生産物を成果として求められる研究者にとっても非常に参考になる本だと思いました。

この本の中で紹介されていたこと全ては紹介しきれませんので、今回はごくごく簡単にご説明いたします。

まず、本書は「思考の技術」(考える技術やインプットの技術、頭に情報を残す技術)だけを高めても、知的生産性は向上せず、行動する技術が必要だとうったえます。

勉強をすればするほど頭が良くなって、仕事もできると思われがちですが、勉強したことを生かして行動する技術を身につけていないと、何にもならないということです。

そこで、どのような行動技術を身につけたら知的生産性が向上するのか、がこの本には書かれているわけです。

著者はプロジェクトの流れを、1)戦略を練る、2)インプットする、3)情報をプロセッシングする、4)アウトプットする、の4つの段階に分けています。

そして、このプロジェクトの流れが本書の目次になっており、各段階でどのように動きべきなのか、ということが提示されています。

例えば、

戦略を練る段階においては、アウトプットイメージして生産物をいかに差別化するか、を考える、

インプットの段階では、良い質問をする、質問するべきことは必ず紙に落としておくこと。でも本番では紙に落とした質問にとらわれないこと、

プロセッシングする段階においては、深く考えるのではなく何度も考える、

などです。

各段階では、いくつも細かいtip(秘訣)が書かれており、刺激的な内容になっていました。

若い方々に特におすすめの本ですが、仕事がうまくいかずに悩んでいる方にとっても、参考になると思います。

もしかしたら、仕事がうまくいっている方にとっても、作業の確認、自分の行動の確認という意味で役に立つ内容になっていると思います。

とりあえず、分野を問わず、世代を問わずおすすめできる内容だったと思います。