蔭山克秀『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』感想

2024-01-15

随分前にKindle unlimitedで無料で読めるということだったので、ダウンロードをして読みはじめた本です。

しかし、部分的に気合をいれる必要があり、ちょっと休憩をしておりました。

そして、先日ふと思い立ったので、続きから読みはじめて、やっと読み終えた本です。

内容は、とてつもなく素晴らしいです。

私は、普段、サラリと読める比較的簡単な本の紹介をしているわけですが、著者である蔭山さんは、このようなことを経済学の名著でやっている、ということで、この取り組み、努力だけでも尊敬に値すると思いました。

さすがに経済学の書籍のオリジナルをここまで読破できていたら、博士以上の知識が頭に入り、他者とは差別化ができる人材になれるなと思いました。

難しそうな、分厚そうな経済学の本を一言、二言、多くても五言くらいで、全体のイメージがつかめるように説明してくれています。

受験を控えた高校生にはむちゃくちゃおすすめです。

この本で取り上げられているのは、50冊とタイトルにある通り、50人の経済学者がどのような問題意識を持って、どのように考えて、どのような結論を出したのか、を説明してくれています。

本書で取り上げられている50人は以下の通りです。

1)アダム・スミス
2)マルサス
3)リカード
4)ケネー
5)ケインズ
6)リスト
7)ワルラス
8)サミュエルソン
9)ロック
10)サイモン
11)ブキャナン
12)セイラー
13)マンキュー
14)ハイエク
15)ションペーター
16)フリードマン
17)クルーグマン
18)スティグリッツ
19)ドラッカー
20)ナッシュ
21)グリーンスパン
22)ナイト
23)アロー
24)ベッカー
25)ロールズ
26)宇沢弘文
27)ウェーバー
28)マルクス
29)マッケイ
30)アカロフ/シラー
31)ピケティ
32)マーシャル
33)岡田光正
34)ポランニー
35)ヴェブレン
36)レーニン
37)ロビンズ
38)ハロッド
39)ウォーラーステイン
40)ガルブレイス
41)ボードリヤール
42)ユヌス
43)セン
44)ディートン
45)ミル
46)サロー
47)ソロス
48)ピグー
49)河上肇
50)ブレグマン

リストを見ていただいてわかる通り、経済学者でない方も含まれています。

つまり正確には、経済学に大きな影響を与えた方々の書籍が紹介されている、ということです。

まず、ぼんやりと「この名前どこかで聞いたことがある」と思えるようになるだけでも、この本の意味があるかと思います。

50の経済を見る視点が取り上げられていると考えると、経済学の辞書という使い方もできると思います。

誰々、と名前が出てきたら、すぐにこの本で「その誰々はこんなことを言った人か」というように調べることができます。

昔、小学生の頃に読んだ「マンガ世界偉人辞典」の経済学版みたいな使い方ができるかな、というように思い、元々は、kindle unlimitedでダウンロードしたのですが、やはり辞書的な使い方ができるということで、手元に置いておきたくなり、購入させていただきました。

ということで、高校生以上の方には絶対オススメの本です。

そして、この本の良いところは、この本を読んだから原典を読まなくてもいいや、という気持ちにはならず、ぜひ読んでみたいな、という気持ちにさせられることでしょうか。

入門書としては、かなり質の良い、わかりやすい書籍だったと思います。