大人のエッセイという落ち着いた雰囲気を醸し出していたという印象です。
森瑤子さんの人生体験や私生活、人生観などを題材にしたエッセイが書かれており、森瑤子さんを知るには良い一冊だったのかと思いました。
今回この本を読んで、森瑤子さんのことをちょっと調べたのですが、私が森瑤子さんのことを知ったのは実は、彼女が亡くなってからだったようです。
私が森瑤子さんのことを知ったのは1999年。
森瑤子さんが亡くなったのが、1993年。
林真理子さんもそうでしたが、森瑤子さんも自分の人生を充実させるために攻めまくった人という印象を持ちました。
幼い頃からヴァイオリンを習い、東京藝術大学に進むものの、大学でヴァイオリンへの興味を失い、才能のあるあらゆる方々と交流。
好奇心が旺盛だったというのでしょうか。羨ましい限りです。
大学卒業後、広告会社に勤め、27歳の時に出産を期に退職しフリーのコピーライターになるのですが、その後37歳の時に、幸福ではあるものの、何かが足りないという気持ちにかられ、小説を『情事』を書き、第2回『すばる』文学賞をを受賞してしまう、というとっても才能のある方です。
若い頃から色々な文化人と交流があったのが良かったのか、元々の才能なのかわかりませんが。
とりあえず、彼女の生き方には刺激を受けました。
このような人生を歩んでいる森瑤子さんの言葉には重みがあり、ずっしりと心に響くという印象を持ちました。
この本には森瑤子さんの人生を充実させる秘訣(多くが森さんによって実践済み)が紹介されていて、それらは時代を超えても有効だなと感じました。
「女の自立とかなんとか、そんな口先だけの問題ではないのだ。まず生きること-食べて、寝て、着ることーのめんどうを、基本的に自分でみれるかどうかの問題なのである」
と森さんは書いておりますが、自立について書かれている数ページは非常に勉強になりました。