私はダメな親?どうしたらいい?

この質問に対する私の回答は、何もできなくてもただただ子どもと一緒にいるだけで意味がある、というものです。

その理由は、先日親子関係に関する映画を2本見たからです。

一つはフロリダ・プロジェクトという映画です。

フロリダのディズニーワールドの近くにあるモーテルで暮らす母親と4、5歳くらいの女の子の話です。

母親には仕事がないものの、モーテルの宿泊費を支払わなければならず、体を売ったり、盗んだものを売ったり、できる限りのことをしてなんとか娘に悲惨な思いをさせないように努力をします。

ジャパンタイムズにこの映画についての記事が掲載されていたので、読んでみたところ、監督であるショーン・ベイカー氏は、ハリウッド映画などではアメリカのいいところばかりが映されていて、もっとアメリカの現実でありながらも、実は身近、というような映画をつくりたかったとのことでした。

ただ、この映画を見てホッとしたのは、同じような境遇で生活している母親や大人たちが、みんな助け合って生きているということでした。

特に、子どもに接する態度は素晴らしく、なんとか子どもをしっかりと育ててやろう、子どもたちを守ってやろうというそんな気持ちを垣間見ることができました。

さて、母親はそのような親で正直、子どもの育成には望ましくないと思いながら映画を見ていたのですが、子どもは非常に楽しそうに毎日を過ごしているのです。

そんな母親でも、子どもはすごく楽しそうに母親と一緒にいる毎日を過ごしており、最後に母親から引き離され保護施設に連れて行かれそうになると、逃げ出してしまうのです。

それほど、母親が好きなのです。

2本目の映画はインスタント・ファミリーという映画でした。

この映画は子どもを持たない若い夫婦が保護施設にいる子ども(3人の姉弟妹)の里親になるという映画です。

里親といっても、若い夫婦は本当の親になろうと努力します。

3人の姉弟妹のうち、一番下の妹と真ん中の弟はそのうち若い夫婦を本当の親のように思うようになるのですが、高校生である長女はなかなか親として認めてくれません。

最後、薬物に手を出して刑務所から出てきた母親と一緒に暮らそうとするのですが、それが叶わず高校生の女の子は泣き出してしまいます。

その女の子は、実の母親と生活をしている時には相当な怖い思い、危険な状況で暮らしていたようです。

しかし、実際に母親が現れると、なんとか母親と一緒に暮らそうとするのです。

やはり、実の親子関係は本当に強固なもので、子どもは自分を危険なめにあわせる母親であったとしても、子どもにとっては母親であり、離れたくないものなのかな、と考えさせられました。

そのように考えると、「私は子どもに対して何もできないダメな親」と例え思っていたとしても、親はそんなことは気にせず、ただただ子どものそばにいてあげればいいのかな、と思いました。

ぜひ、この2本の映画、機会があれば見てください。

自分の子どもがとてつもなく愛おしく感じるようになります。

そして、子育てに自信をなくしたとしても、子どもにはただただ寄り添ってあげてください。何もしなくてもそれだけで子どもにとっては意味があることなのです。