元気をくれる書物たち

群ようこ『交差点で石蹴り』感想

2020-10-02

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群ようこ『交差点で石蹴り』感想

2020-10-02

今回読ませていただいた本は群ようこさんの『交差点で石蹴り』です。

今回の本も前回に続き、堅苦しくない、面白い文章が書けるようになりたいと思い、勉強のために購入した本のうちの一冊です。

「群ようこ」というお名前だけは当たり前ですが、何度も見たり聞いたりしておりました。

が、著作を読ませていただくのは今回が初めてでした。

「群ようこ」という名前を初めて知ったのは、海外に滞在していた友人がある時「森瑤子の『真夜中のチョコレート』を読みたいから、今度来る時持ってきて」と言ってきたので、本屋にこの本を探しに出かけた時のことでした。

「森瑤子」の近くに「群ようこ」があるではありませんか。

その時の印象は、

「??なんて読むんだろう。グンヨウコ?でも森の隣にある。もしかしてこの人もモリヨウコ?え、頼まれたのはどっちだ?」

でした。

結局、本のタイトルがわかっていたので、問題なく森瑤子さんの著作を買うことができました。

家に帰り、森瑤子さんの著作をテーブルの上にポンと置いておくと、母親が見つけて、「あら、森瑤子さん。似た名前の人で、群ようこさんって人もいるよね。グンって書いてムレって読む人」。

そこで初めて私に「群ようこ」さんの名前がインプットされたわけです。

さて、さて、前回、女優片桐はいりさんの『グアテマラの弟』を紹介させていただいたのですが、片桐はいりさんがご出演されていた『かもめ食堂』の原作も群ようこさんだったというのは、今回恥ずかしながら初めて知りました。

初めて知ったものの、『かもめ食堂』は映画しか見ていないのですが、結構好きで、その映画に出演されていた片桐はいりさんも結構好きで、そして、今回片桐はいりさんの著作を読んだ後に群ようこさんの著作を読んだというのは、なんか勝手に偶然ではなく必然だったのかな、なんて思ったりしています。

『グアテマラの弟』は片桐はいりさんがグアテマラに住む弟を訪ねる際、訪ねた際のドタバタといいますか、はじめての体験だったり、驚きなど非日常的な出来事がおもしろおかしく綴られていました。

今回読ませていただいた群ようこさんの『交差点で石蹴り』はめちゃくちゃ普通の日常生活の中で感じた疑問や、ふっとわいた感情をおもしろおかしく伝えてくれています。

「あー、あるある」とか「こういうことに対して、こういう風に思う人もいるんだ」という素通りしてきた日常生活の出来事が、自分の経験の中からも浮かび上がってきます。

そういった意味で、やはり文章の力ってすごいなと思わされます。

文章の力というよりは、群ようこさんの視点とその時にふと湧き上がってくる素直な感情の表現の仕方がとてつもなく素晴らしいわけですけど。

ごくごく普通の誰もが経験するような日常生活の一面に光が当てられ、そこを笑いに変えて共感を得る、「私と同じことを考えている人がいるんだ。しかもそれが群ようこさんだ」と思わせる部分に群ようこさんの人気があるのでしょう。

『交差点で石蹴り』の中にもたくさん共感する物語がありました。

例えば、迷惑なお土産、眉間にしわを寄せるハスキー犬、落ちている領収書をついつい拾い集めてしまう衝動、小学生の横はいり、自分に合った手帳などなど。

共感できる物語が多いので、ついつい「この本は自分のために書かれたのでは?」と思ってしまうのですが、冷静に考えると私も普通の人だった、という嬉しいような、さみしいような感情にもさせてくれるそんな一冊でした。

とりあえず、笑えて、嫌なことが吹っ飛びます。

おすすめです。


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