約束を守らない子どもの対応

我が家の小学6年生は1ヶ月ほど前に、自分で貯めたお小遣いでニンテンドースイッチを購入しました。

しかし、放っておくと、ずっとゲームばかりしてしまうので、とりあえずゲームは貸し出し制にして、ゲームをしたくなったら、母親の許可を得てからゲームをすることができる、というルールを決めました。

そして、ゲームで遊ぶ時間も2時間までで、22時には部屋の電気を消して寝る。

こんな約束をしています。

つまり、8:30からゲームをはじめた場合は1時間半しかゲームができない、ということになります。

しかし、やはりゲームに夢中になって、22時を過ぎてしまうことが多々あります。

一度、ゲーム機を取り上げて1週間ゲーム禁止にしたことがありました。

しかし、やはり10時に部屋の電気を消して寝るということができずにいます。

ついに、一昨日、母親がゲーム機を取り上げて1ヶ月間のゲーム禁止となってしまいました。

突然、1ヶ月間のゲーム禁止になったわけではなく、その3日前に「今度、22時過ぎたら1ヶ月ゲーム禁止だからね」と母親が伝えていました。

それにも関わらす、我が家の小学6年生はその次の日に22:15に就寝。そして、その次の日は22:05にゲームを終了。

ということが、あってゲームが取り上げられたわけです。

さて、この子はなぜ、約束が守れなかったのでしょうか?

あくまでの私の個人的な意見ではありますが、三つの理由があるような気がしています。

1)言葉、口約束の重要性を理解できていない

昔、「子どもは大人のコピーです」というコマーシャルがありました。

最近、本当にそうだなと思うことが多々あります。

子どもが約束を守らない理由の一つは、大人が約束を守らないからかなと思うことがよくあります。

ただ、大人は約束とは思っていなくても、子供は約束と思ってしまうことがあるのです。

例えば、母親が

「今日の晩御飯はOO君の大好きなハンバーグにしよう」

といったとします。

しかしながら、買い物に行けなかった、父親が昼食にハンバーグを食べたなどの理由で結局、夕食がハンバーグにならなかった。

子供にとっては、これは重大な約束破りなのです。

または、意外なことに子供はしっかりと親の発言を聞いているもので、独り言のつもりで、「今日の夕食はハンバーグにしようかな」といい、実際に夕食がハンバーグではなかった場合、これも子供にとっては「えっ!」ということになります。

何気なく大人が発した一言が実現されないと、子どもは約束が守られなかったという感情になってしまいます。

約束が守れていない、ということもありますが、それ以前に、

「結局、口に出す言葉って、そんなもんなんだな」

という印象を与えてしまうことでしょう。

ですので、親の発言が実行されないと、口で言われることなんて、そんなに重要なことではないんだと、と思ってしまうことでしょう。

ですので、100%は無理かもしれませんが、できる限り「有言実行」を心がけましょう。

2)過去に約束を破っても許されてきた

二つ目の理由は、過去に約束を破って怒られたとしても、怒られるだけで約束を破った自分に対しては「痛み」を感じることがなかった、ということではないでしょうか。

「怒られる」ことは確かに「痛み」かもしれませんが、「怒られる」ことに慣れてしまったり、泣き出した途端、怒られなくなったなど、怒られた時のかわし方を身につけたりします。

フランスの思想家ルソーは、『エミール』の中でこんなことを言っています。

子どもが窓ガラスを割ってしまったら、怒ることなどせず、そのまま放っておきなさい。冷たい風が吹きこんで、寒さを感じるようになれば、子どもは窓ガラスを割ってしまったことを後悔し、窓ガラスは割ってはいけない、と学ぶことでしょう。

つまり、怒ることよりも、自分が約束を破ったことに対しての痛み、を感じさせることが効果的なのです。

ですので、我が家では、約束を守れなかったらゲーム禁止、ということにしているわけです。

しかし、現状、それでも約束がなかなか守られていないのです。

3)約束の守り方がわからない

最後に重要でありながら、見落とされがちなのは、約束の守り方がわからない、ということです。

自分では、約束を守ろう、守ろう、と思っていても、どうしても約束が守れない、ということがあります。

例えば、大人でもあるように、明日は早起きしようと思っても、早起きができなかったり、これから毎日ジョギングをしよう、と思ってもなかなか続かないのと同じです。

つまり、どうやったら時間通りにゲームを終わって「22時になったら寝ることができるのか」がわからない可能性があります。

その場合には、怒るだけでは不十分で、家族の助けや知恵を授けることが必要となります。

例えば、

1)学校から帰ってきたら、子どもと一緒に寝るまでの過ごし方のスケジュールをつくる

2)毎日21:45に目覚まし時計をセットしておく、テレビが自動的に切れるようにセットしておく、部屋の電気が自動的に消灯されるようにセットしておく、

などです。

最近はタイマー付きの電灯が売られているので、時間がきたら強制的に電気が消えてしまう、という設定をしておくのも良いかもしれません。

約束を守れるようにするには、もしかしたら、約束をちゃんと守れるような環境を整えてあげることが一番重要なのかもしれません。