先日、ローランドの『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』を紹介させていただきました。
現在、五木寛之さんの『大河の一滴』を読んでいるのですが、なんとそこには、表現の仕方は違うものの同じようなことが書かれていました。
いや、むしろ五木寛之さんが投げかけている問いにローランドが答えているようにも感じました。
さて、五木寛之さんはなんと言っていたか。
「自分を憎む者は、他人を憎む」
「マンフォードという思想家が、自分を愛していない人間は他人を愛することができない、といっています。自分を憎んでいる人間は他人を憎む。自分を軽蔑している人間は他人の命も軽蔑する。だからたとえ幼稚な愛であっても、人はせめてナルシズムからでも出発するしかないのではないか、と。」
「命というものが大事に感じられる、自分の命が本当に重く感じられ、貴重に感じられる、そういうふうになるためには、いったいどうすればいいのか。これは本当に難しい問題です。言葉だけで命の尊さを自覚しようとか、自分の命が生かされている命だということをありがたく感謝しようとか、そんな口当たりのいいことをいくら言っても、言葉だけが空回りしていくだけです。
では、どうすればいいのか。そこのところで、ぼく自身も立ち往生しているというのが正直なところです。」
ここで思い出したのがローランドです。
彼は、日本一のホスト、おそらく世界一のホストなわけです。
なぜ、彼がそこまで他人を喜ばせることに一生懸命になれるのか、他人の幸せを考えてあげられるのか、それは、彼が自分自身をメチャクチャ好きだからなのです。
彼は、女性に
「私、ローランドのことが大好き!」
と言われると
「俺も」
というそうですか、それは「俺もローランドが大好き」という意味らしいのです。
それで良く誤解を招くようですけど・・・・・・。
更に、ローランドは毎日鏡に映る自分の姿を見て、今日も理想の自分であるということを確認するようです。
つまり、彼は自分が自分のことを嫌いにならないように毎日、毎日、努力をしているというのです。
自分が大好きだからこそ、人のことも考えられる。
五木寛之さんが引用していたマンフォードさんが言っていること、つまり、人を憎まないために、最低限ナルシストになろう、ということをローランドは実践しているのです。
もう一つ、ローランドが言っていたことで、素晴らしいと思った言葉は、「自信がなくても、自信のあるフリをしよう」ということです。
ローランドに言わせると、「自分のことが好きでないのであれば、自分のことを好きなフリをしたらいい」と言うのではないでしょうか。
ここに五木寛之さんへの回答があるような気がしました。
とりあえず、悩みのある人、人生お先は真っ暗だと思う人、過去を後悔している人、みなさん、とりあえず、自分のことを大好きなフリ、してみませんか?