子を育てる ハーバードの人生を変える授業 25
今回の本書のテーマは子を育てるというお話でした。
私は、大学時代に教育学を専攻しており、ルソーの『エミール』などを読んでいました。
エミールで印象に残っているのは、
子どもが部屋の窓ガラスを割ったのであれば、その場で叱って、窓ガラスを修復するのではなく、放っておきなさい、
というようなことが書かれていた部分です。
なぜなら、放っておいて雨風が部屋の中に吹き込むことで、子どもはなぜ窓ガラスが必要なのかを理解して、窓ガラスの必要性がわかる。そうしたら、もう2度と窓ガラスを割ることなどしないから、と言います。
このような内容を読んで私も、子どもができたら、できる限り放っておこう、間違いを起こさないように育てるのではなく、間違いを起こす余地を作ってあげようと思いました。
なぜなら、自分で経験することで、学ぶことがたくさんあると「エミール」を読んで考えたからです。
この『ハーバードの人生を変える授業』でも同じようなことが書かれていました。
「自分がつらい経験をしたことのある親の多くは、自分の子どもたちにはもっといい人生を送ってほしいと願っています」
「しかしこうしたことを望む親たちが見落としてしまいがちなことがあります。」
「それは困難から子どもたちを守ることは、短期間であれば子どもたちの人生をより快適にできても、結果的には、自信や、失敗から回復する力、人生の意義を知ること、そして対人関係に関する大切なスキルを身につける機会を、子どもたちから奪っているかもしれないということです。」
それでは、どうしたらいいのでしょうか?
本書によると具体的に、自分の子どもや他人の子どもとの関係において、自分が彼らの人生に介入することで、彼らの人生を楽にできたかもしれない、できるかもしれないと思う場面を想像し、介入した場合にはどうなるのか、介入しなかった場合にはどうなるかをまず考えてみることが大切なようです。
そして、
「子どもたちに自力で困難に挑戦する機会を与える」
ことがどういうことなのかを考えてみる必要がある、と本書は述べています。
子どもを育てていると、ついつい「子どものため」と思ってお節介をしてしまうことが多々あります。
そんなとき私は何をするかというと、自分自身が子どもだった時のことを思い出して、もしも自分の親にこのようにされたら、どういう気持ちになるのかを想像しています。
多くの場合は「当時は、うざったいと思ったよな」という答えが得られます。
まったく、無関心を装うのもどうかと思いますか、見て見ぬふりをするのも子育てには重要なのでしょう。
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