川又三智彦『どん底と幸せの法則』
なんとなく人生の「どん底」を経験して、そこから這い上がった人の話が知りたくなり、「どん底」をキーワードにして検索して出てきた本をいくつか購入してみました。
まず最初に読んだのはウィークリーマンションを経営していたツカサの代表川又三智彦さんの『どん底と幸せの法則』。
川又さんはバブルの崩壊によって1500億円の借金を抱えたのちに、2回の脳梗塞と心筋梗塞を経験。
リーマンショックによって、また会社を破産させてしまい、830億円の個人破産を経験。
福島県で再度事業を立ち上げようとしたところで、東日本大震災により事業を断念。
このように、まさか、と思うくらいの「どん底」経験をしているわけです。
しかしながら、なぜこの人だけこんなにも不幸を経験しなければいけないのだろう、と考えると答えはシンプルなような気がしました。
この人がたまたま不幸に直面しているわけではなく、「どん底」を経験しても活動的に次から次へと失敗を恐れずに動くから、このような不幸な経験が自ずと多くなる、ということなんだと思いました。
その代わりに、成功体験も多くなるのでしょうね。
この本には、「どん底」にいる時の人生の教訓が書かれており、勉強になります。
いくつか、気になった教えをこの本の中から抜粋いたしましょう。
・どんなどん底に落ちようとも、ただひたすら上に向かって進んでさえいれば、必ずチャンスは巡ってくると信じてがんばりました。
・どん底が深ければ深いほど、待っているチャンスも大きい。このときのどん底がこのことを私に実感させてくれたのです。
・「情報こそが価値の根源」「ある出来事はある日突然に起きることはあり得ない。誰かがどこかで必ず書いている」。
・これは後になって振り返るからわかることなのでしょうが、バブル最盛期は、周りには大富豪として映っていたのでしょうが、私自身は決して幸せではなく、何かに取り憑かれたかのように、どんどん事業を拡大しなければならないという気持ちになっていました。
・どん底のときこそ引きこもってはいけません。外に出て行動をしたり、新しいことを始めたりすると、そこから思わぬチャンスの芽が出てくることがあります。
・悩んだり、イライラしたりした状態で考えるのと、いったん眠ってから考えるのとでは、出てくるアイデア、発想が違っていて当然なのです。
悩まず、イライラせず、とにかく、「食べて寝る」です。
・どん底のときは、放っておけばどんどんマイナス発想になってしまいます。考えてはいけないことばかり考えて、どんどん気持ちが落ち込んでしまいます。そうなってしまうのは、「暇」だからです。自分を暇にしないことです。好きなことをして時間を過ごすことです。そのときだけはどん底を忘れられます。
・嫌な予感がするとは、動物として本来持っている能力です。これは安全安心の中では鈍り、危機のときには研ぎすまされます。どん底になるからこそ、人間が本来持っているこの能力に気付けます。自分を信じることです。
・どん底で人間力が磨かれていくのです。
・自分はエリートだという自覚が強い人ほど、どん底に対する免疫がありません。免疫を持つには、エリート意識を捨てることです。
・今の生活であり続けようとふんばるよりも、「下流化する」ことです。
・どん底とは、自分自身が一番よく見えるときです。「本当に自分は何がやりたいのか」、「何が好きなのか」を真剣に考えることができるときなのです。
・成功した人、成功する人は、間違いなく、「どん底経験をプラスに生かした人」です。
・とにかく「どん底」に落ちたら、そこから後の人生を良くするんだと思って、行動してみることです。
どん底のときほど、行動することが大事になるときはないのですから。
・「人生、楽ありゃ、苦もあるさ」。これが普通、当たり前。
安定志向でどん底から逃げ回るよりも、立ち向かって苦労すれば、その分、人生を豊かにしくてれます。
・どん底が伝えていること。それは、これまでの生き方、考え方が間違っているよというメッセージです。素直にそう受け取って、生き方を変えることです。
・「ダメだ」と思い込んで立ち止まってしまえば、それまでの辛さが全部のしかかってきてしまい、走れなくなってしまいます。
人生というマラソンでも同じです。
立ち止まってしまえば、そこでおしまいなのです。
・「ピンチはチャンスだ」と、なぜ言われるのでしょうか。
そう言う人は、どんなどん底でもチャンスが来るまであきらめないからです。
最後まであきらめずに行動するから、どん底でもチャンスに変えていくことができるのです。
・どん底で潰れていく人には、共通していることがあります。それは、中村天風先生が言われている、やってはいけない三つのことばかり考えていることです。
過去の「後悔」、現在の「悩み」、将来の「不安」の三つです。
・自分で自分がやりたいことを見つけ出す、その方法を「自分科学」と呼んでいます。
自分を科学するとは、日頃から自分の行為、行動を記録に留めていくことから始まります。それは「今日はどうだった」というような日記ではなく、「何時に何をした」といったスケジュールでもなく、一日の時間をどう自分が活かしてきたのかの行動記録です。特に最近気付いて重要だと感じているのは、「そのときに何を考えたか、何を感じたか」を残しておくことです。
・自分科学のポイントを簡単にご説明します。
1)細かく情報は残すこと
2)直感的に感じたいものを残すこと
3)型を気にせず、大学ノートやスクラップブックなどを「なんでも帳」にして書きこんでいくことです。
4)手間暇をかけない。最初からあれこれ考えないで、できることから始めていくことです。
5)見返すことが最重要
6)人生における決算書と考える。自分の何が資産なのか、何が負債なのか、そして何が利益なのかを考える。
7)このような情報整理は自己満足でいい。
・なぜどん底で自分をダメにしてしまうのでしょうか。
それは、どん底はなかなか成果が出てくるときではないからです。いわば、一番急な登り坂に差し掛かっているのが、「どん底」です。人によってはそれが坂道ではなく、大きな壁のようなものであるかもしれません。これまで通りの平地を走っているわけではない。このことに気付かないからです。
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この本を呼んで思ったことは、何を「どん底」と考えるかは人それぞれなのですが、自分が今「どん底」にいると感じたときは、腐らずに、試練だと思って、自分を見直して、日々ひたむきに生きていくことが重要なのではないでしょうか。
以前、「ショーシャンクの空に」についてお話をさせていただきましたが、同じように小さな希望を日々の小さな努力でドンドン大きくしていくことが、成功な鍵になるのでしょうね。
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