子どもが本を読まなければいけない理由
最近の子は読書をすることが少なってきた、ということをよく聞きます。
ただ、いつの時代になってもそのような話は聞くような気がします。
私も昔は「もっと本を読みなさい。本であれば1ヶ月に1冊好きな本を買ってあげるから」と父親に言われた記憶があります。
しかし、そんなこと言われても興味が持てない時は興味が持てないし、興味を持ったらハマるというのが本だと思うので、本を読まない子どもたちにはとりあえず、「本を読みなさい」と言い続けるか、子どもが興味を持ちそうな本を家の中に置いておく、くらいしかできないと思います。
まさしく、「馬を水場に連れて行くことはできるけど、馬に水を飲ますことはできない」ですね。
でも、時々、
「なんで本を読まなきゃいけないの?」
と子どもや若い世代に聞かれたりするので、とりあえず私が考えることを書いておきたいと思います。
1. 工夫・考える力を養うため
おそらく、子どもたちに
「知識を得るため」
と答えても、
「別に、今は携帯で調べられるし」
との答えが返ってくるかと思います。
正直、別に携帯で文章を読むのであれば問題はありません。
しかし、携帯の動画などで説明されてしまうと、これはちょっと問題かもしれません。
なぜなら、文章を読んで何かを成し遂げる際に考えたり、工夫したり、想像したりする行為が入り込むからです。
動画はとてもわかりやすくて、良いツールですが、動画の通りにやればできる、ということになりがちです。
例えば、昔はお料理の本のレシピを見て、料理を作ることが多々ありました。
しかし、レシピの通りに作っても、うまくできないことは多々ありました。
そこで、みんな考えるわけです。
何がおかしいんだろ?
何かステップを飛ばしたかな?
こう書いてあるけど、実はこうなんじゃないのかな?
こういう思考をめぐらせることが重要なんだと思います。
2. 想像力を養うため
小学生の頃、私は歴史の本や科学の本が結構好きでした。
正直、意識をして小説を読むということはあまりありませんでした。
ただ、シャーロック・ホームズにはまって、小学5年生、6年生で全シリーズ読破してしまいましたが・・・。
さて、小説を読むことですが、実は小説は想像力を養うにはもってこいの道具なのです。
ドラマの「金八先生」でこんなエピソードがありました。
確か、平成に入ってからの比較的新しい金八先生だったと思います。
「読書習慣」という期間に漫画で「ドラえもん」を読んでいる生徒と文章で「銀河鉄道の夜」を読んでいる生徒がいました。
漫画を読んでいる生徒は、「漫画からもたくさん学ぶところはある」と言います。
そこで、金八先生は
「それじゃ、ドラえもんとジョバンニの絵を黒板に書いてみろ」
と二人の生徒に言います。
そして、二人にこういうのです。
「お前が描いたドラえもんはお前のドラえもんじゃない。藤子不二雄が描いたドラえもんを真似しただけだ。でも、このジョバンニはお前の頭の中にあるジョバンニで、お前だけのジョバンニだ。小説を読むということは、こうやって想像力を養うんだよ」
それでは、なぜ想像力が必要なのか、ということですが、これは昨日読んだとあるメルマガにいいことが書いてありました。
世の中、基本的には言葉でことが進むわけですが、そんな中
「そして文字に書いてあること、言葉で伝えられたことが全てではなく、『行間を読む』とか、『先回りして考える』と言った、文字や言葉にはない部分をいかに想像したり理解したりできるかが重要になります」
ということなのです。
3. 当時の人々の気持ちを知る
『怒りの葡萄』の著者であるジョン・スタインベックはある時、歴史家と話しをしていたそうです。
そこで、僕は、こんな本を読んだ、あんな本を読んだ、という話しになったそうです。
そして、歴史家が歴史的資料しか読んでいないことに気がついたスタインベックはこんなことを言います。
私が歴史家だったら、資料よりもその時代に書かれた小説をたくさん読むことでしょう。
確かに歴史的資料は何が、いつ、どこで起こったのか、という事実を教えてくれます。
でも、小説はその時代に生きた人々がどのような気持ちで、何を考えて生きていたのかがよくわかります。
一人の人間が一生で経験することはたかが知れています。
しかし、私たちの目の前には経験したこともない課題が立ちはだかることが多々あります。
そんな時に、我々の知識や経験を補ってくれるのが本なのです。
みなさんも何か問題が立ちはだかった時に、「あ、これ前に本で読んだことがある」ってことありませんでしたか?
今となっては動画やテレビなどから「あ、これ前にテレビで見た」とか「あ、これ前にyoutubeで見た」ということがあるかもしれません。
ただ、代理経験をするだけであれば、動画やテレビだけでもいいのかもしれませんが、やはり先ほども書きましたが、想像力が抜け落ちてしまうのです。
また、私がテレビや動画をあまり見ない理由の一つは、時間をコントロールできないからです。
1時間のドラマを見るとなったら、1時間テレビの前に座っている必要があります。
しかし、本であればどこにいても読めるし、また、読むスピードを鍛えることで、自分に入力する知識量が格段に変わります。
ということで、以上、私が考える本を読むべき理由でした。
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