幸せになる「ブリコラージュ」という考え方
むか〜し、むか〜し、人生に迷っている頃、ラジオで火山学者の鎌田浩毅さんが、お話をしているのを聞きました。
2016年2月10日のことです(というと、そこまで昔の話ではないような気もしますが・・・・・・)。
私は、一応文化人類学的な研究をした経験もあって、「プリコラージュ」という言葉には敏感なのですが、このとき鎌田さんはプリコラージュ的な考え方で仕事をすることで、人はもっと幸せになれる、というような話をしていました。
そもそも、プリコラージュとはなんなのか?
「プリコラージュ」とは寄せ集めで作る、という意味があるのですが、フランス人の文化人類学者のレヴィ=ストロースは、人間があまりものやその場にあるものを使って、当面は役に立つ道具などを作り出してしまうことを、「プリコラージュ」と呼んだようです。先日紹介した、『武器になる哲学』において、著者の山口周さんは「プリコラージュ」について次のように説明しております。
あり合わせのよくわからないものを非予定調和的に収集しておいて、いざという時に役立てる能力のことを、レヴィ=ストロースはプリコラージュと名付けて近代的で予定調和的な道具の組成と対比して考えた。
要するに、何に使うか、いつ使うかよくわからないものを集めていたら、ある時役にたった(役に立たせた)ということのようです。
さて、火山学者の鎌田さんは、このプリコラージュを糸口としてこんな話をしています
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必ずしも目標は達成できるものではない。
しかし、目標が達成できなければ自分はダメなやつと、どんどん劣等感を募らせてしまう。
だから、足りないものを考えるのではなくて、持ってるものでとりあえず、こういう仕事、こういう生活をしてみよう、というように考えて欲しいのです。
想定外を当たり前にして、足りないものに目を向けて暗くなるより、足りてるものに目を向けて明るく生きることを心がける。
例えば、病気をしてしまって、仕事を休んでしまった。
仕事を休んでしまって、ダメなやつだ。早く仕事に復帰をしなければ。
と考えるのではなく、もしかしたら、仕事に復帰しなくても良いかもしれない。そもそも仕事があっていなかったかもしれないと考えても良い。
病気を治すのではなくて、人生を治すと考えても良いのでは。
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さて、私は、この話を聞いて、結構、腑に落ちました。
当時、私は、精神的に疲れていて、仕事を辞め、更にその次の職も色々と疲れることばかりで、どんどん精神的に病んでいきました。
その時に、この話を聞いて、まったく生きる環境を変えてみました。
それは、ある意味正解だったとは思います。
そこで、何が起こったのか。
自分に何ができるのか、自分はこれまで何をしてきたのか、人より秀でていることは何かを真剣に考えるようになりました。
今も考えているのですが、できることを一所懸命やるようになりました。
ということで、このプリコラージュ的な人生の考え方には、ちょっとホッとする部分があり、なんとなく自分が幸せになれるような考え方だと思いました。
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