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片桐はいり『私のマトカ』感想

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片桐はいり『私のマトカ』感想

2ヶ月ほど前からずっと読んでみたいなと思っていた本です。

何か心温まるエッセイ、面白いエッセイはないかな、と思ってネットで探していたところ、いくつかのサイトでこの本がオススメされていたので読んでみました。

内容はと言いますと、女優の片桐はいりさんが「かもめ食堂」の撮影でフィンランドに滞在した際の体験談で、日記のようなエピソードが綴られている、なんてことはないものです。

しかし、なぜかおもしろく、心が温まる本になっています。

面白い理由としては、フィンランドとフィンランド人を見る、片桐さんの独特の視点と感覚があるからで、フィンランドの一面を知ると同時に、片桐はいりさんを知ることができるからなのかもしれません。

例えば、雨の日に両手いっぱいの荷物を抱えていたら、浮浪者のような男性が片桐さんに走って近づいてきて、ドアを開けて、気がついたらその男性はいなくなっていたというエピソード。

雨の日に両手いっぱいの荷物を持っている女性を見かけて、慌てて助けて、何も言わずに、何も求めずにその場から立ちさすフィンランド人の男性。

確かにフィンランド人という方々のことがよくわかるのだけれども、それがちゃんと心に残るエピソードとして残るには、やはり片桐さんの、その優しさに気がつくという優しさがなければいけないと思うのです。

この他にも、この本にはこのような片桐さんの体験と、旅をする時のこだわりがいくつか出てきます。

必ず市場に行くとか、本屋に立ち寄るとか、マッサージを受けるなどです。

このような視点から見た訪れたことのある国を比較してみたりすることで、国のこともよくわかれば、片桐さんという人物もよくわかるのです。

なるほど。

おそらく紀行文というものは、旅を通して、旅をしている人の人なりを知る本なのかもしれないな、と思いました。

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